史料集Archive
フォルダno.4
1934年から1935年にかけて湯川が物理学科内の談話会やコロキウム、あるいは日本数物学会で行った講演の原稿を集める。湯川は量子力学が今後の物理学のすべての領域の基礎となることを誰よりも明確に認識していた。物理の仲間には、ベータ崩壊やディラックの海などの原子核物理だけでなく金属や結晶の性質(物性)、統計力学でも量子力学がいかに重要であるかを丁寧に説明しようとする。一般の人には近代物理学の考え方が、実は常識の世界に近いことも語る。湯川の使命感にあふれた研究、教育、啓蒙活動が心に響く。