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第124回物理談話会「量子論から見た音と熱」Lecture: Sound and Heat in Quantum Theory

OU1938-C4 (25ページ) 日付: 1938年2月10日

2月10日(木)に大阪帝国大学理学部大講義室で開催された第124回物理談話会での講演の原稿である。タイトルは「量子論から見た音と熱」で、講演は主に音の熱力学的な理解と物質中の熱の正体、量子論による理解に当てられている。冒頭、「私はこれらの方には専門的な知識がないのでありますが」また「表面的な話になっているかもしれません」と断りを入れているが、湯川は量子物理学的な見地から大きな興味と深い理解を持っていた。ホッジ、ハバード、ラトガース、パイエルス、アインシュタイン、デバイなどの論文を紹介している。現在の物性論の基礎となる話題で、物理学教室でも量子力学を理解している人が少なかった時代、学生や同僚たちに量子力学の重要性を伝えようとしていた。(文: 細谷 裕)

史料提供:京都大学 基礎物理学研究所 湯川記念館史料室 (s04-05-009)
OU1938-C4-s04-05-009
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