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数物年会原稿「素粒子の相互作用に就て II」Talk draft: On the Interactions of Elementary Particles. II

OU1935-A4 (9ページ) 日付: 1935年3月30日

1935年4月4日午後、数物年会(醫学部第三講義室)で発表する講演の原稿である。原子核の中の核力やベータ崩壊を記述する理論の構築に向けて一般論を展開している。ベータ崩壊でエネルギーやスピン、統計性の保存を考慮すれば「ニュートリノ」なる粒子の存在を仮定するが妥当であろう、核力を記述するのに陽子と中性子は同類の重粒子と見なすのが自然だが質量や電荷が違うのをどう考えるか、等の考察を巡らす。また、超短距離では現在の量子論は破綻するとするオッペンハイマー(Oppenheimer)の理論にも言及する。その根拠として電子やニュートリノの自己エネルギー(つまり、高次の量子効果によるエネルギー)が発散することをあげている。最後のページでそのメカニズムをフェルミの海を使った模式図(現在のファインマンダイヤグラムに似たもの)を書いていて面白い。しかしながら、この考察はしり切れとんぼで終わる。(文: 細谷 裕)

史料提供:京都大学 基礎物理学研究所 湯川記念館史料室 (s04-04-010)
OU1935-A4-s04-04-010
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