第4回(11/6)の実践講義
「脳信号を読む」
 脳内の神経細胞,ニューロンは「スパイク」と呼ばれる電気インパルス信号によって交信している.最近の神経信号計測装置や信号解析アルゴリズムの発展により,行動中の動物の脳から神経スパイク信号列を傍受して,その動物が受け取った感覚情報やその動物の意図する運動指令を解読することが可能になりつつある.事故などによって神経連絡に損傷を受けた人の感覚や運動を回復させるための Brain-Computer Interface (BCI) あるいは Brain-Machine Interface (BMI) の技術が発達しつつある.
 我々は神経信号時系列の特徴を分析することによって信号発生メカニズムを調べている.脳は一様ではなく場所に応じて担当する情報処理の内容が異なる.計測されたスパイク時系列のみから,そこで行われている情報処理の内容,すなわち感覚,連合,運動などの機能が推定できるようになった.最近,同じ解析を地震時系列に応用したところ,プレート運動の特徴をとらえることも明らかになった.
[1] S. Shinomoto et al., PLoS Computational Biology (2009) 5:e1000433.
[2] X. Zhao, T. Omi, N. Matsuno, and S. Shinomoto, New Journal of Physics (2010) 12:063010.
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