第4回(11/6)のコーヒーブレイク
「C60 を作ってみよう」
 炭素(カーボン)材料の研究・応用には長い歴史があります。たとえば皆さんもよく知っているダイアモンドは炭素原子でできており宝石や工業用研磨材としてすでに利用されています。もう1つ有名なものにはグラファイトがあり、携帯電話などに使われる電池の中で重要な役割を果たしています。
 長い歴史があるだけに、口の悪い人の中には「炭素研究はもう古い」という人もいました。しかし1985年のC60(フラーレン)分子の発見という歴史的偉業により炭素研究は新しいステージ、即ちナノカーボン研究へと昇華され、炭素研究は一気に最先端の、そして興味の尽きない分野へと変貌を遂げました。現在ではカーボンナノチューブやグラフェンといったナノ炭素材料の仲間も増え、今もっともホットな材料科学の分野に1つになっています。
 そこでこの時間ではナノ炭素材料の先輩格であるフラーレンの幾何学的構造に焦点をあてながら皆さんにも実際にその模型を作ってもらうことで自然が内包する「対称性」の美しさを実感してもらおうと思います。ちなみにこの模型は、フラーレンを発見した研究者たちも実験結果の解釈に苦吟しながら作ってみたものと同じです。
様々なナノ炭素材料


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