自然界の基本の力、法則を観る (藤田 佳孝)
自然界の広がりと、力、保存則を観る!
自然界の広がり
150億光年の広がりを持つ宇宙から、銀河、太陽系、地球、生命体、分子、原子、
原子核、素粒子、クオークまで自然界は階層構造を持ちながら大きく広がっています。
驚いたことに宇宙を理解するためには、原子核や素粒子の極微の世界の理解が、
そしてその逆も、どちらもが重要であることがわかってきました。ちょうど
ギリシャ神話に出てくる「ウロボロスの蛇」のように、「自然の階層」が互いに
関連し、ループを作っているのです。
四つの力(=相互作用)
広い自然界は、見た目の多様さと異なり、非常に単純な「世界」を構成しています。
たとえば、おおもとの力は、重力、電気磁気の力、弱い相互作用、強い相互作用の
四つしかありません。つまり大宇宙から、素粒子、クオークまで、それら全体がの
四つの力の働きのバランスで成り立っているのです。
日常よく目にする現象論的な力、例えば摩擦抵抗力、ファンデアワールス力などの
分子間力は、重力、電気磁気の力がからまって作用していると説明されます。
力の性質
まずはこれら四つの力の性質を調べ、それらの長距離力、短距離力としての性格、
また電荷の有無などが、それらの力が働ける場所を決め、さらには「宇宙全体の構造」
を決めていること知ります。またそれらが働く時に起こる現象を、いくつかの典型的な
場合について身の回りにあるもので観察し、それらの力が形作る自然界の一端を
少しばかり覗いてみたいと思いました。
保存則
大宇宙から極微の世界まで、エネルギー保存則、運動量保存則、角運動量保存則
などの「保存則」はどの自然の階層においても正しく成り立つことが知られています。
これらの保存則は、自然界の対称性、単純さを表している重要な考え方で、未知の
分野の研究のいわばナビゲータの役割を果たします。。
実は日常であまり意識せずとも我々はこれらの保存則をうまく使っているのです。
例えば、走っている自転車が倒れないのは、まさに角運動量保存則の現れなのです。