第1回(10/17)の基幹講義
「自然界をめぐる旅へのいざない」
藤田佳孝(大阪大学核物理研究センター)
SAPの世界へのいざない
自然界の広がり
 140億年の広がりを持つ宇宙から銀河、太陽系、地球、生物、分子、原子、原子核、素粒子、クオークまで自然界は階層構造を持ちながら大きく広がっています。しかしその階層構造は、単純なピラミッド型ではありません。驚いたことに、ギリシャ神話で自分のシッポを呑み込む「ウロボロスの蛇」のように、各階層が互いに関連し、ループを形作っています。宇宙、銀河、星の世界を理解するためには、原子核や素粒子の世界の理解が、またその逆も、どちらもが重要でなのです。

基本的な力(相互作用)と保存則
 宇宙から極微の世界まで、見た目の多様さとは異なり、自然界は驚くほど単純で基本的な要素の組み合わせで出来ているようです。たとえば、おおもとの力(相互作用)は、重力、電気磁気の力、弱い相互作用、強い相互作用の四つしかありません。つまり大宇宙から素粒子、クオークまで、自然界全体が、四つの力の働きのバランスで成り立っているのです。
ウロボロスの蛇


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