第2回(10/22)の実践講義
「原子を見て動かして組み立てる」
森田清三(大阪大学工学研究科)
原子を見て動かして組み立てる
 原子を見る!さらに、原子を見るだけではなく、原子の種類(元素)の違いを見分ける!そして、狙った元素を狙った位置に動かして、色々な原子を並べて世界最小の絵や文字を描く!これこそ、極小のナノの世界でしか出来ない夢の遊びだと思います。20年以上前に、走査型トンネル顕微鏡と呼ばれる電流を測定する顕微鏡を使って、極めて低い温度(極低温)でニッケルの板の上に吸着したキセノン原子(Xe)を動かして、「IBM」と言う文字をXe原子で描いた話を知っている人も居ると思います。ここでは、低い温度では無く熱で原子が動き回る室温で、走査型トンネル顕微鏡では無く原子と原子の間に働く力(原子間力)を測定する原子間力顕微鏡と呼ばれる新しい顕微鏡で、原子を見るだけでなく、原子の種類(元素)の違いを見分けて、異種の原子を交換して、埋め込んだ異種の原子の元素記号を描いた原子埋め込み文字の組立に成功するまでのお話を紹介します。
図1.Ge原子中に埋め込んだSn原子で描いたスズ原子の元素記号
図2.Sn原子中に埋め込んだSi原子で描いたシリコン原子の元素記号
図3.原子間力顕微鏡による原子の観察・元素識別と原子の操作による組立
Ge原子中に埋め込んだSn原子で描いたスズ原子の元素記号Sn原子中に埋め込んだSi原子で描いたシリコン原子の元素記号

原子間力顕微鏡による原子の観察・元素識別と原子の操作による組立


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