第6回(11/22)の基幹講義
「原子核素粒子の世界への旅立ち」
延與佳子(京都大学)
 私達の身の回りにある物質は元素からできています。元素の真ん中にある原子核は陽子や中性子などの核子から構成され、核子はクォークやグルーオンなどの素粒子からできていて、とミクロなミクロな世界に進むと様々な粒子が見えてきます。今回は原子核の世界のお話をしましょう。
 核子という粒子が数個〜数百個集まってできているのが原子核で、それを芯にして水素や炭素、鉄・金などの元素が存在しています。今の地球上にいろいろな種類の元素が存在しているのは、宇宙の歴史の中で星が誕生と終わりを繰り返す間に、核子が次第に集まったり離れたりを繰り返しながらいろいろな核子数の原子核が形成されていったからだと考えられています。
 原子核はミクロに見ると粒子の集りで、様々な不思議な現象が見られます。原子核全体が変形したり、粒子がいくつかの塊に分かれたクラスター構造ができたり。ミクロな世界で何が起きているのか、元素がいつどこで作られたか、そんな不思議に少し触れてみましょう。
原子核の多様性


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