第6回(11/17)の基幹講義
「原子核・素粒子の世界への旅立ち」
延与佳子(京都大学)
ミクロな世界の不思議
 私達の身の回りにある物質は元素からできています。元素の重さのほとんどを担うのは原子の真ん中にある原子核です。原子核は原子の1万分の1くらいの大きさで、陽子や中性子など”核子”と呼ばれる粒子で構成されていることがわかっています。さらに、核子はクォークやグルーオンなどの素粒子からできています。このようにミクロなミクロな世界に進むと様々な粒子が見えてきます。
 原子核は核子が数個〜数百個集まってできていて、そのようなミクロな粒子集合体では様々な現象が現れます。原子核全体が変形したり、粒子がいくつかの塊に分かれたクラスター構造ができたり。水素や炭素、鉄・金など元素の種類は、芯となる原子核を構成する陽子や中性子の数の違いで決まっています。今の地球上にいろいろな種類の元素が存在しているのは、宇宙の歴史の中で星が誕生と終わりを繰り返す間に、核子が次第に集まったり離れたりを繰り返しながら、いろいろな核子数の原子核が形成されていったからだと考えられています。
 今回は原子核に関する現象を紹介しながら、ミクロな世界で何が起きているのか、そんな不思議に少し触れてみましょう。
多様に変化する原子核


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