Updated 11 November 2005

自然科学の基礎を楽しく訪ねよう!


 今年は世界物理年です。 アインシュタインの革命的な論文の発表から100年。 11月19日(土)と20日(日)、大阪市立科学館と その隣に位置する大阪大学中之島センターの二カ所で 自然科学の基礎を訪ねるユニークなプログラムが開催されます。 二つのプログラムは同時開催、自由に行き来できます。

「自然科学の基礎を訪ねる」
1. 青少年による大阪市立科学館ガイド
日時:19日、20日 10:00〜16:45
場所:大阪市立科学館
総勢100人の中・高・大学生が展示解説をします。
「関西文化の日」により展示場無料
2. 科学の最先端を市民に語るー市民にむけた第21回湯川記念講演会
場所:大阪大学中之島センター
19日:大阪大学物理学専攻などのスタッフによる様々な実験デモ
20日:4人の専門家によるわかりやすい講演
入場無料、 申し込み不要
大阪市立科学館と大阪大学中之島センターは歩いて1分の距離にあり、 自由に行き来できます。

会場へのアクセスと地図 (印刷用 pdf) スクリーン用 jpg


このホームページでは、 「科学の最先端を市民に語るー市民にむけた第21回湯川記念講演会」を 紹介します。




科学の最先端を市民に語る  プログラム

11月19日(土) 大阪大学中之島センター7階 講義室2と講義室3
11:00 - 17:00  普段みられない実験のデモと解説  (4つの実験が同時進行します。)
   (A)  振動運動の観察
   (B)  音波の測定
   (C)  霧箱と身の回りの放射線
   (D)  磁石とコイル
11月20日(日) 大阪大学中之島センター10階 佐治敬三メモリアルホール
第21回湯川記念講演会
11:00 - 12:00 ロケット、科学衛星、ブラックホール 牧島 一夫 東京大学理学研究科
13:00 - 14:00 スーパーストリング理論 −究極理論への挑戦− 土屋 麻人 大阪大学理学研究科
14:30 - 15:30 高温超伝導の謎 田島 節子 大阪大学理学研究科
16:00 - 17:00 サブアトミック世界の魅力 保坂 淳 大阪大学核物理研究センター


19日(土)プログラムの内容

普段みられない実験のデモと解説

(A) 振動運動の観察

共鳴現象や連なった振り子の不思議な運動を観察します。物質をつくる原子の世でも原子は常に振動しています。

(B) 音波の測定

声の波形をオシロスコープで観察したり、音の速さを測ります。 強めあったり、弱めあったり、波の干渉の性質も分ります。 音の干渉は防音壁、自動車内の消音、消音ヘッドホンなどに利用されています。

(C) 霧箱と身の回りの放射線

 私たちの回りには放射線がいっぱい。ウィルソンの霧箱を作って、放射線を見てみよう。 原子や原子核の世界がのぞけます。
 レントゲンのX線やキュリー夫妻のラジウム発見から約100年、 今や放射線はエネルギーや医療、工業など色々な方面に応用されています。 しかし、身のまわりにも放射線がたくさん飛びまわっている事はあまり知られていません。 私たちの体も放射線をたくさん出しているのです。 放射線は光や音の様に目や耳で見たり聞いたり出来ません。 ここでは、ウィルソン発明の霧箱という仕掛けを作ります。 このすばらしい装置で、ウラン鉱石やトリウムが出す放射線の一種アルファ線をつかまえよう!


(D) 磁石とコイル

磁石とコイルの働きを使って,磁石のまわりの磁界の様子を観測したり, オシロスコープで電磁誘導を観測します。ミクロな磁石は, コンピュータ医療診断にも使われています。

実験を担当する大阪大学のスタッフ

松多 健策、藤井 研一、鷹岡 貞夫、摂待 力生、阪口 篤志、
清水 俊、 小川 泉、 三原 基嗣、荒木 新吾、大野 裕
         (以上、理学研究科物理学専攻)
嶋 達志、高久 圭二(核物理研究センター)、 吉岡 伸也(生命機能研究科)


20日(日)プログラムの内容

ロケット、科学衛星、ブラックホール (牧島 一夫)


 多くの不思議に満ちた宇宙の中でも、もっとも不思議なものの1つが、 ブラックホールであろう。 ブラックホールは、単独でいると発見は難しいが、 そこに物質が引き寄せられると、物質は強いX線やガンマ線を 放射しつつ吸い込まれてゆく。 そうした信号を手がかりに、これまで大小さまざまなブラックホールが確認されてきた。
 しかし宇宙からのX線は 地球大気に吸収されてしまう。 したがってブラックホールの研究には、 その足場となる科学衛星や、それらを宇宙に送り出すロケットが不可欠である。
 日本ではこの7月10日、5機目の宇宙X線衛星「すざく」が打ち上げられ、 ブラックホールなどの観測を開始した。

写真: 「すざく」衛星を搭載したM5ロケットの発射。 2005年7月10日、鹿児島県内之浦より (宇宙航空研究開発機構 提供)

スーパーストリング理論 −究極理論への挑戦− (土屋 麻人)

 ものの最小の構成要素は何だろうか、また、その構成要素の間には どんな力がはたらいているのだろうか、といった人間の素朴な疑問に 答えるのが素粒子物理学です。その発展の歴史は、 異なって見えるものや力はもとをただせば同じだとわかったという統一の歴史でした。 スーパーストリング(超弦)理論は、この統一への方向性の最高到達点として、 自然界のすべてのものと力を統一的に記述する究極の理論ではないかと考えられています。 この講演では、素粒子物理学の現状と課題を説明した上で、超弦理論を平易に解説します。

高温超伝導の謎 (田島 節子)

 超伝導とは、金属を極低温まで冷やすと電気抵抗がゼロになる現象です。この現象は90年ほど前に発見され、その仕組みを説明する理論も50年前に完成しています。ところが、この理論では説明できないくらい高い温度で超伝導になる物質が、今から約20年前に発見されました。そこからまた新たな超伝導研究が始まったのです。今回はその「高温超伝導体」とはどのような物質で、どのような不思議な性質があるのかについて、わかりやすくお話ししたいと思います。

サブアトミック世界の魅力 (保坂 淳)


 私たちの身の回りの物質は分子・原子によって構成されています。 しかし、その性質の大部分はその中心にある原子核によって決まっています。 原子より10万分の1も小さな原子核、サブアトミックの世界はまさに宇宙の成り立ちを解明する重要な鍵なのです。 その主役は、核子の中に潜むクォークです。 クォークの世界では、私たちの想像を超えた不思議な性質をみることが出来ます。 この講演では、サブアトミック世界を概観した後に、SPring-8で核子の内部に潜むクォークの様子を探究する実験と、 関連する理論研究の先端について紹介する予定です。




どこで  会場へのアクセスと地図 (印刷用 pdf) スクリーン用 jpg

参加費は無料



リンク

大阪大学湯川記念室
世界物理年関西委員会
最先端の物理を高校生に  Saturday Afternoon Physics