・高校1年生(女子)
皆さん,物理に興味はありますか?
私は,少しだけあります!…と言っても,以前はまったく興味がありませんでした。
私が大阪大学の開催するSaturday Afternoon Physics 2007(SAP)に参加したのは,友達が「おもしろそうだから行ってみない?」と誘ってくれたからでした。物理は苦手科目の一つだったので,物理の授業で先生が参加を呼びかけていらしたときには,まったく関心がわきませんでしたが,友達も一緒に行くということで,「まあ行くだけ行ってみるか。」と軽い気持ちで参加しました。
遊びに行くような感覚で迎えた第1回目のプログラムで,私の物理に対する考え方ががらりと変わりました。物理というと,力学台車だとか,9.8メートル毎秒毎秒だとか,日常生活にあまり馴染みのないものだと思っていませんか?しかし本当の物理というものは,もしかしたら私たちに最も身近なものの一つであるかもしれません。たとえば,宇宙のようにとても大きな世界や,素粒子のようにとても小さな世界。こんなことを考えることも「物理」なのです。
SAPでは,いろいろな実験も楽しむことができました。車輪の運動を利用してくるくる回ってみたり,回折格子からいろいろな種類の光を覗いてみたり,超伝導を実際に自分の目で見たり…。学校では器具・設備不足でできないようなことも,SAPに行けば体験できるのです。
私が全6回のプログラムの中で,最も楽しかった(+疲れた)のは,第4回目の吹田キャンパスの見学です。
1番最初に行った施設では,超音波(?)洗浄機で指を洗いました。指は一見すると汚れていないのに,ひとたび超音波洗浄機の中に入れればアラ不思議!モヤモヤ〜っと汚れが出てくるではありませんか!些細なことですがとても驚きでした(ちなみに超音波洗浄機は主に眼鏡屋さんで眼鏡を洗ってもらうときに登場します)。
次に行った施設は,核分裂反応をさせるところでした。周期表にあるような放射線のマークがいたるところにある巨大実験場の中にいる私たちは,「今,私たちのすぐ横で核分裂が起こっているんだ」と思うと,何だかとても不思議な気分になり,改めて物理の身近さ・大きさを感じました。
最後に行った施設では,レーザー光を使って核融合を起こしている施設でした。限られた敷地の中でレーザー光を鏡で反射させ,最終的に大きな力を持ったレーザー光が核融合を起こすのに利用されているそうです。SAPのプログラムを通して思ったのですが,光というのは何だか漠然とした対象であるにも関わらず,実はいろいろな場面で用いられているのですね。(ところでこの日が『最も疲れた』というのは,キャンパスが広すぎて,施設と施設の間が遠かったうえに,歩くのには少々適さない靴を履いていたので…という意味です。当日はスニーカーを履くことをお勧めします…。)
私は物理に関心があったわけではありません。しかし,SAPには一度足を運ぶべきです。講義の内容を完全に理解しようとしなくていいのです。大切なことは,どんな些細なことに対しても,驚きと感動と,「なんでやねん!」という心を持つことだと思います。
今まで興味のなかった物理も,SAPに行ったことで新たな一面を知り,私は今,以前より少しだけ,物理が好きになりました。
・高校1年生(女子)
私はこのSaturday Afternoon Physics 2007に参加して,初めて大学の構内に入りました。大阪大学豊中キャンパスは,緑が多くて和やかな雰囲気で,道路やコンビニまであって大学構内というよりも普通の街中にいるような気がしました。
基礎工学部の施設は充実していて,講義を受けた場所は広く,パワーポイントを見たスクリーンも高校の物よりもかなり大きくて大学生に憧れを感じました。
講義は基幹講義・コーヒーブレイク・実践講義の3部形式で行われ,まず基幹講義は内容がまとめられたプリントを見て,大切だと思ったところはメモしながら講義を聞くと,自分の興味がある分野が分かってきました。先生方の講義は私たち高校生に合わせて,難しい話を易しくかみ砕いた表現で話して下さり,初めての分野でも何とか理解することができました。
コーヒーブレイクでは,毎回一人一本ずつペットボトルの飲み物とたくさんのお菓子が用意されていて,SAPのメンバーと楽しく交流できました。物理を身体で体験できて,とてもいい経験になりました。5回目のSAPの「体の中を視る・観る・触る」において,肝臓を触 (み)ました。人間の内臓の感触がコンピューターを通じて確かめられるようになっていて,その技術に驚きました。実際やってみると,機械を通して触っていると思えない生々しい感触が指に伝わってきて不思議な感覚になりました。でもとてもドキドキして何だか今でもその感覚を思い出します。
また実践講義では,同じく5回目のSAPの「最先端医療診断:PET」という講義があり,この分野は父が携わっている分野なので,興味を持って聞きました。身体を切らずに体内を分子レベルの機能まで画像で表すことができるという技術は,とてもすばらしいと思います。人の身体にあまり負担をかけずに深部の疾患まで探り当てることができるので,これからの医療には不可欠だし,もっともっと普及していって欲しいです。
「視る」「観る」「見る」「診る」「看る」の深さにすこし触れた気がしました。
物理という科目は高校から習い始めましたが,奥深くて幅広い科目だなと思います。授業などで学ぶことはもちろん,社会的な技術の最先端なので,世の中の技術の基本であり,これからずっとなくてはならない,終わりのない物だと思いました。
SAPでは学校では習うことができないことまで知ることができ,たくさんの分野の入り口を,身近な物や事に置き換えて示してくれます。自分が進みたいと思っている分野が明確な人には,その分野をより良く知る機会になったと思うし,まだ自分の方向性を決めていない人にとっては自分の好きな,または得意な分野を見つけることができたのではないかと思います。
SAPは大阪大学が与えてくれている,物理をより知る良い機会なのでたくさんの人に参加してほしいです。
・高校1年生(男子)
SAP(=SATURDAY AFTERNOON PHYSICS)(=土曜!午後!物理!)とは,大阪大学湯川記念室主催の,「最先端の物理を高校生に」というコンセプトに基づく催しであります。2007年は10/20〜11/24までの毎土曜日,毎回15:00〜18:00,計6回,行われました。会場は,大阪大学豊中キャンパス,吹田キャンパスの二ヶ所。おもに豊中キャンパスがメインでした。
〔内容〕
基本的に,3時間構成の授業形式ですが,授業と呼べるほど理解し易くはありません。でっかくて,満員の講義室(まぁ実際の大学の授業で,講義室なんてそうそう満員にはならないので,そういう意味でも貴重な体験かも)。パワーポイントを使った手の込んだ内容(俗に言う,「噛めば噛むほど味が出る」って感じです。)。附高なんか(失礼!)とは比べ物にならない,立派な設備。大学の雰囲気を知るという点でも,有意義なものでした。
講義は毎回,信じられないくらい難しくて,楽しくて,とても充実した内容でした。でも,はっきり言って,物理の成績を上げたくてこれに参加するってのは間違いです。今回SAPに参加した面々は,僕も含め,皆,物理に熱い思いを持った人たちでした(物理の成績には関係なく!)。
特に印象に残ったのは,吹田キャンパスの施設見学ツアーでした,「サイクロトロン」(だったっけ?)という,素粒子を加速させ…よくわからない装置でしたが,スケールに圧倒され,まるでSF映画の中に入ったかのような興奮を感じました。
〔まとめ〕
はっきり言って,僕は物理に関してそれ程長けているわけではなく(テストもダメダメだし),将来理系に進むかどうかもわからないのですが,このSAPというものは,そんな僕にとっても,非常に楽しいものでした。
あわよくば,もう一度…またあの面々で。SAPに行きたいですね。
〔53期生(っていうか53期以降の)方々へ〕
物理に,ちょっとだけでも興味のある方々,SAPに行ってみて下さい,新しい自分が見つかるかもしれませんよ?まぁ,見つけたくない人も,楽しいから行ってみて下さい。
(尚,「楽しくなかったぞ!この野郎!俺の貴重な休日を返せ!」等の苦情は一切受け付けませんので,ご了承下さい。)
それでは,物理的な土曜の午後を御堪能下さい…。
・高校1年生(男子)
〔内容〕
私達が生きているこの物質世界,私達が目で見ることのできるものをマクロ,その対照ともいうべき肉眼では認知できないものをミクロというが,量子論に表れるようにマクロの世界での法則がミクロの世界では通用しない,ということは有名である。オームの法則“V=IR”もミクロの世界では成り立たなくなる。
「何故,朝と夕で空の色が変わるのか?」「何故,レインボーガーネットやシャボン玉はいろんな色になるのか?」「超伝導って一体どういう性質があるのか?」身近な現象から始まり,将来に向けて研究の進んでいる内容について幅広く物理現象についての講義を受けた。
また,研究所見学では,大学院工学研究科,レーザーエネルギー学研究センター,核物理研究センターの三施設を訪問した。 より小さなものを見るには,より大きな設備が必要とのことだったが,レーザーエネルギー学研究センターのレーザー設備の大きさは驚きだった。核物理研究センターの出入り口は,実験中は分厚い壁で覆われるようになっており,中性子などが外に漏れるのを防いでいる。
〔考察〕
我々は物理に生きている。物理なくしては地球も誕生せず,宇宙すら認知されなかった。 物理現象を解明,発見していくことで,様々な謎を解き明かすことができる。
〔感想〕
計6回,部活関係で講習会に遅れたこともあったが,最終的には全てに参加でき,価値のあるものだったと思っている。物理にもいろいろな分野があり,前以上に物理が好きになった。
大学院工学研究科を見学した際に頂いた青色発光ダイオードは,綺麗だった。20世紀中に開発は不可能とされた,青色の発光ダイオード。それを成しえたのは,半導体と縁の無い企業の無名の技術者だった。私も,どのような環境に居ても,探究することを忘れずにいようと思う。
・高校1年生(女子)
「大学で物理の講義を受けられる」と聞いた時,あなたはどう思いましたか? 私は難しいだろうし無理だろうなと思いました。しばらくしてもうS.A.P.の事は忘れていたのですが,友達が行くということを聞いて,それならば私も,と思い参加しました。
実際やはり授業は想像道理難しい内容だったのですが,学校の授業とは違い理解しなければ,覚えなければ,と言う事は無く自分のわかるところだけを聞けばよくてとても気楽でした。授業はパワーポイントを使って行われ,授業前に配られるパワーポイントの内容が印刷された紙と共に進められるので分かりやすかったです。授業の途中に実験をはさんだり,自分が直接実験できる時間が用意されたりしているので理科があまり得意じゃないって人でも楽しめると思います。私は実験の時,液体酸素,液体窒素を始めて見ることができて,液体窒素は触る事もできてとても感動しました。
私の年の授業は全6回,内1回は吹田キャンパスで実験室や大きな設備を見せてもらえました。原子を調べる設備やレーザー設備の大きさは想像をはるかに超えたもので,本当に見られてよかったと思いました。直接説明してくれる先生や大学生は個性的でおもしろい人が多くて,質問にも分かりやすく答えてくれるし,普通にお話しするのも楽しかったです。
私はこの講義を受けてみて,より深く物理に触れることができたというのはもちろん良かったのですが,大学の講義は,研究とはどんな感じなのか,大学生のキャンパス内での生活,クラブ活動はどんなものなのか,そういった大学についてパンフレットだけでは分からないようなことを自分で感じられて本当に良かったと思いました。
科学,特に物理が好きでない,興味が無いって言う人にはおすすめできるものではありませんが,得意では無いけど好き,興味があるっていう人は行ってみてたぶん損はないと思います。もし時間に余裕があるのなら是非参加して見たらいい経験になるのではないかと思います。
・高校1年生(女子)
まず,このSAPを企画してくださった大阪大学の方々,そしてこれに参加する機会を与えてくださった先生に感謝の意を表したいと思います。
SAPの講義を通して,私は物理の奥深さや楽しみを知ることができ,新たな発見をすることができました。6週間,様々なことを学んだ中でも,私の心の中に強く残った言葉があります。それは「偶然の幸運が重なって人間,私たちがいる」,「大事な事は何かをやりたいという意思をもつこと」というこの二つです。
私は今まで宇宙規模で「偶然の幸運が重なって私たちがいる」と考えたことがありませんでした。しかし講義を通して先生の説明を聞き,それを実感することができました。そうすると自然と,今自分がここにいて周りに人がいるということがありがたく感じられたのです。心がじんわり温かくなったのを今でも覚えています。
けれどそれと同時に,最近気になっている地球温暖化のことが思い出されました。「ビッグバンのかけらで作られている人間」,「宇宙(星)の子」であるのに,私たちは「宇宙の星である地球」を破壊し続けているのです。宇宙全体を見ると,人間というのは非常に小さいです。しかし持っている力は大きいです。これも物理の世界を学んで感じたことです。「大事な事は何かをやりたいという意思をもつこと」―そしてこの意思をもてばその力は大きいものとなるはずです。講義で言われていた「意思をもつこと」と同時に,「意思を行動に移すこと」も同様に大切だと思います。私は「偶然の幸運が重なって私たちがいる」ということとこれに対しての感謝の気持ちを忘れず,「宇宙の星である地球」を壊したくないという思いで,この思いを行動に移せたらいいなと思いました。
この6週間は私にとって有意義なものでした。色々なものに触れることができ,驚くことができ,感じることができました。物理の世界はとても興味深く 新たな発見があったときは嬉しいものです。物理というのは可能性で満ち溢れていて夢のあるものだと,これからの物理もそうであり続けて欲しいと,先生の講義を聴き痛感しました。
・高校1年生(女子)
私はSaturday Afternoon Physics~最先端の物理を高校生に~という紹介の,「最先端」という部分に興味を持ちました。今年高校生になったばかりの私に日々発展する“最先端の科学”が理解できるのか!?と思いました。
講義は毎週とっても難しい内容のはずなのですが,想像以上に楽しくて分かりやすかったです。毎回講義を重ねることで,自分の科学への理解が深まっていき,新しい発見の驚きと感動が実感できました。私の印象では,“物理”を学んだというより“総合科学”を学んだという感じがします。量子力学や原子・分子の話,医学の話,宇宙の神秘等々,物理・化学・生物etc…といったとても広い範囲の理科をまたにかけた非常にダイナミックな講義の展開だったからです。現在の科学技術は「総合科学」です。物理を単独で学んでもどこにも役に立たない,大事なのは理科において広い視野と知識を持つこと,結局はすべての分野を学ぶべきであるということを知りました。
少しでもS.A.P.が気になる人は,何事にも挑戦です!とりあえず阪大へ足を運んでリラックスして講義を楽しんでみてください☆
・高校1年生(女子)
今回,私は大阪大学で開催された『最先端の物理を高校生に Saturday Afternoon Physics 2007』に参加しました。このSAPでは宇宙や素粒子から現代社会で使われている技術のなかにある物理学まで,様々なことを学ぶことが出来ました。
宇宙や原子,素粒子等の講義は私には少々難しいものでしたが,パワーポイントを使い行われる講義は最後まで興味を持って聴くことが出来ました。中でも印象深かった講義は5日目に行われた最先端医療診断についての実践講義でした。その講義では正確に病気を診断したりするためのPETやMRIにも物理学が応用されていることを習い,物理とはただ問題集を解いたりするのではなく,様々なものに応用されたりして日常生活に当たり前のように潜んでいる,生きた学問なのだと言うことを改めて実感しました。
机に座り講義を受けるだけではなく,4日目には実際に大阪大学の吹田キャンパスで施設見学を行いました。この施設見学では普段目にすることの無い,サイクロトロンやレーザー装置,展示されていたその部品などを見ることが出来ました。ただ施設を見学するだけではなく,発光ダイオード(LED)や無線技術,錯視などについてもお話をきくことが出来ました。
また毎回「コーヒーブレイク」と名付けられた休憩時間があり,その間に出されたお菓子を食べたり,「二重車輪による角運動量」というものを実際に体験させていただいたり,分光計を作り様々な光を見たりと,様々なことを体感することが出来ました。講義を聴くだけではなく,このように体感したり目の前でみたりすることが出来たのはとても面白かったし,良い経験だったと思います。
物理をただの「学問」としてだけでなく,医療技術やLEDライトなどを通して身近なところに沢山応用されていることを感じることが出来た6日間でした。
・高校1年生(男子)
僕は今回SAPに参加して,本当に良かったと思っています。原子,クオークなどの非常に小さい物質の世界から広大な宇宙の話と,さまざまな話を聞き,また体験することも出来ました。特に,高校の授業では扱う事のない量子力学は難しかったがとても面白かったです。今現在,僕達高校生が習って勉強している古典力学での常識が全く通用せず,原子中の電子の状態のとらえ方の違いにとても驚きました。また,コーヒーブレイクの時の実験が,どれも興味をそそられるものばかりで,夢中になっていて菓子を食べていなかった事もあります。超伝導の時の宙に浮かぶ磁石は今でも忘れる事はできません。しかし,やはり一番思い出に残っているのは,11月10日の吹田キャンパスでの研究所見学です。工学研究科,核物理研究センター,レーザーエネルギー学研究センターと,どれも大変迫力があり,中には想像もしなかったような,建物1棟分というとてつもない大きさの機械もありました。その内部の様子を携帯電話で撮りました。ここで,日々たくさんの研究者達が研究しているのだと思うと,ぞくぞくしました。SAPでは,たった6週間というとても短い時間しかありませんでしたが,まだまだ遠い未来のことの様に思われる僕の将来に一歩近づけた様な気がします。またこのような楽しいイベントがあれば,ぜひとも参加したいと思います。
・高校1年生(女子)
わたしは,正直なところあまり物理の勉強が得意な方ではありません。むしろ「苦手教科」と言ってもいいくらいでしたが,それとは裏腹に物理には興味を持っていました。SAPも,先生が紹介してくださったときに,これはぜひとも参加してみようと思って申し込み,運良く参加することが出来ました。
行く前は,「わたしのように物理が苦手な生徒でも,講義の内容が理解できるだろうか」と不安な気持ちもありましたが,実際参加してみると,そのような心配をする必要はあまりありませんでした。先生方は,わたしたち生徒のためだけに,わかりやすい映像や写真,プリントなどを用意してくださり,前の大きなスクリーンにそれを映して説明してくださりました。力の伝わり方についての講義のときはアニメーションでもその力がどう伝わるのかを見せてくださったので,難しい話でもスムーズに理解することが出来ました。
そして,プログラムのなかにはただ話を聞くだけでなく,自分たちが体験することも出来るプログラムがありました。今回のSAPでは『分光器』を自分たちで作り,日頃わたしたちが多々目にする光源はどのような光が交わりあってその色になっているのか,などを,話だけではなく視覚的にも理解することが出来ました。また,間の休憩時間であるコーヒーブレイクの時間にも楽しい話を聞くことができ,わたしは残念ながら出来ませんでしたが,中には他校の生徒さんとお話した友人もいたようです。SAPには本当にたくさんの学校から生徒が集まっているので,講義の後に設けられる質問タイムでの,同級生の質問などからも新しいことを学びました。他の生徒さんが,全く違った局面からものごとをとらえ,質問してくれたので,非常に新鮮な気持ちでした。
というわけで楽しんでいるうち,瞬く間に6回の講義は終わってしまいましたが,6回のうち1回も,意味が分からず参加した意味がなかった,という講義はありませんでした。確かに話の内容はいささか高度で,先生方の配慮がなければわたしには理解できなかっただろうな,というものでしたが,それでも楽しんで聞くことが出来ました。物理が苦手なわたしでもこのように楽しめるのですから,得意な生徒にとってはもっともっと興味をそそられるのではないでしょうか。
ということでSAPに参加したことは,わたしにとって非常に有意義な経験となりました。願わくば,わたしのような生徒がひとりでも多く参加して,物理を嫌いにならなかったらいいのになあと思います。
・高校1年生(男子)
SAP2007に毎週通っているといつも思うのは,「レベルが高い!」ということです。正直高校生の知識では理解の難しい話をされる先生もいらっしゃいました。しかしその分,物理に興味を持ち,真剣に先生の話を聞こうとする高校生に対して真剣に応え,伝えようとする先生の姿勢がわかりました。SAPで講義される先生の方々は皆それぞれの専門分野での第一線を行く方ばかりです。だから,「高校生向け」に手加減して作られた中途半端な話ではなく,大学生に,もしくは同じ研究者に説明するように本気で講義されている方の口から聞ける,そこにSAPのおもしろさ,有意義さがあるのだと思います。
また,SAPでは物理学に関する事なら超ミクロの世界から始まり,ナノテクや超伝導,核物理や雷,そして宇宙物理までありとあらゆる分野の先生が来られます。私は個人的にはSAPに参加するまで宇宙のような極大の世界には興味ありませんでしたが,今回の一連の講義を通じて極微と極大の世界の法則が有機的につながり合っている物理学の新しい展望が開けました。
そしてなにより楽しい!講義の間に「コーヒーブレイク」という休憩の時間が挟まれるのですが,ここではお菓子や飲み物がふるまわれ,講義された先生方や参加している他校の生徒の人と談話する事ができました。ちなみに芋けんぴがふるまわれたお菓子の中で一番おいしく感じました。また阪大吹田キャンパスで行われた施設見学も大変有意義なものでした。吹田キャンパスには激光XIIを含むレーザーエネルギー学研究センターや世界最高の分解能(平たく言えば加速力)のリングサイクロトロンを含む核物理研究センター(RCNP)があります。私達は今回のSAPでこれらの施設を見学させていただきましたが,RCNPなどは全国共同で使用されているもので一生に一度行けるかどうか,むしろ物理学者にでもならない限り見学させてもらえない所です。このような特別な場所を見学することで,つかの間でも大学生や本職の研究者の気分ができて本当に楽しく,貴重な経験ができました。
SAP2007での一日の流れは土曜日の午後3時に講義室に集合し,一時間「基幹講義」を受けその後一時間先述した「コーヒーブレイク」を受けて,そして一時間「実践講義」を受けて解散というものでした。どちらも興味をそそられる内容ばかりでしたが,一つだけ残念だったのは毎回「歓迎の言葉」という時間が十分以上とられていたことです。挨拶に時間を費やすなら,一秒でも多く講義に時間を回して欲しい,と思いました。しかし,全体的にはバランスがうまくとれていて物理に興味を持っている程度の人から,物理マニアの人まで満足できる内容だったと思います。
初めにも書きましたが,私達生徒が真剣なら阪大の先生方も真剣です。秋の土曜日をどっぷり物理に浸って過ごせたSAP2007でした。