第3回(10/31)のコーヒーブレイク
「導電性プラスチックを作ってみよう」
廣木一亮(津山工業高等専門学校)・夛田博一・関山明(大阪大学基礎工学研究科)
導電性プラスチックを作ってみよう
プラスチックとよばれる合成樹脂はボールペンやシャープペンシルの外筒、下敷き、メガネのフレームやレンズ、ペットボトル、プラモデルといった日常生活で様々なものに使われています。これら合成樹脂は有機分子の重合によって合成されます。その殆どは電気を流さないことから、プラスチックは電気を流さない絶縁体ばかりと思われがちです。しかし、白川英樹先生(筑波大名誉教授、2000年ノーベル化学賞受賞)らによる導電性高分子の発見以後、電気を流す有機材料の研究が発展しました。有機材料は、軽くて折り曲げができ、水や薬品に強いという特徴を持っています。そうした有機材料に電気を流すことができれば、軽くて身につけることのできるコンピューターや携帯端末が実現できます。
 今回は電気を流す下図のような化学式(ポリピロール)の導電性高分子を実際に合成してみましょう。こんな化学式の分子が本当に電気を流すのかと思う人もいるかもしれませんが、それも導電性チェッカーを自作して電気を流して確かめてみましょう。これらの実験および解説を通して、物質中をどうやって電気が流れるのか、そして物質の世界で見られる不思議な現象を実感してください。
 なお、このプログラムは大阪大学博士課程教育リーディングプログラム「インタラクティブ物質科学・カデットプログラム」の協力を得ておこないます。


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